426.新寸法線

DREAMCAD GENMAIの新機能です。
DREAMCADの初期版が開発されたのは20年以上前です。
その間配線設計をやっていて思うのは
部品の小型化、バリエーションが増えたことが大きいです。

20年前は
抵抗やコンデンサなどピッチは10ミリとか5ミリとか
目で見て大きさがわかる範囲の部品が多かったですが
現在は小型部品が多くなり
1005や0603サイズなども一般的です。
BGAのような手半田では不可能なパッケージもあります。

部品が小さくなったとしても配線面では
思うほど困るといったことはありませんでした。
サイズが10分の1になったとしても
CADで10倍拡大すればよいという事で
対応できるからです。
けれど小型の部品のフットプリントは
0.3ミリか0.325mmなのか
その違いは目で見てわかりません。
目でみてわからないものは
寸法をつけて証明する必要があります。

現在寸法線の長さは
2 mm で固定されています。
基板の外形寸法図や多少の小型の部品では
不自由することはあまり無かったですが
1 mm 以下の部品に対して2 mm の矢印線は明らかに長すぎます。
なのでこうした小型部品の寸法などは
矢印線を手修正したり
DXFCADなどで寸法をいれたりと
いろいろ工夫が必要でした。

今回の寸法線機能はその問題を解消した機能といえます。
その寸法機能での改善点は大きくは3つです。
1、矢印線長が可変できる
2、矢印線の向き(外向き、内向き)の改善
3、後加工も可能

1、矢印線長が可変できる
これは寸法線を発生するときに
ホィールを回転することで矢印の長さを可変することができます。
毎回調整する必要はなく一度設定したら 
立ち上げている間はその長さを維持します。

2、矢印線の向きの改善
従来は寸法の長さに対して
矢印の向きは内側表示、外側表示と切り替わったのですが
今回は、マウスの位置によって自動的に切り替えることが可能となりました。

3、後加工も可能
寸法矢印のアイコンを右クリックした時にそのモードに入ります。
対象の寸法線をクリックするとその寸法線の矢印の長さや
寸法の位置を移動することも可能です。

使ってみて良い点は
設定がマウス操作だけで出来る点。
文字の大きさと矢印の長さのバランスを
ホィール回転で調整できるので良いと思いました。

製図用 CAD は
あらゆる表記に対応できるように
寸法のパラメタ設定の数もそれなりにあります。
矢印の長さ、角度、引き出し線からの距離、寸法線の突起
矢印の形状 etc
設定パラメタがあればあるほど緻密な事ができることは事実です。
反面その多いパラメタがデメリットになる面もあります。
たとえば文字高が少し大きくしたとします。
そうすると 矢印のバランスも悪くなります。
バランスを調整しようと思うと
そのパラメタすべて入力しなおすという事になります。

その点DREAMの今回の機能は
仮寸法線を表示しそれを見ながらホィールを回して矢印長、寸法線突起長が
連続的に調整されるのでパラメタ入力についてはとても少なくて済みます。

もう1つは後加工も可能と言う点です。
この機能は
寸法の矢印の長さや位置を後で移動することが
出来るというものです
製図CADでは寸法線という属性で定義されているものであれば
後加工が出来る機能のCADがありますが
こちらの機能はそれとは違います。

DREAMの寸法線データは
製図CADのように寸法線という属性を持っているわけでなく
通常の線や文字を部品化したLIB属性です。

なぜ、移動や矢印長を可変できるかというと
形状データから寸法線データだと認識して
移動や矢印線長の調整が可能にしている点です。

新しく寸法属性を定義するほうが楽なのだと思いますが
互換性に配慮した機能アップです。

動画は作者より提供いただき掲載許可いただきました内容です。
3本の動画は製作の過程の動画の一部です。









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