406.押しのけ配線2

押しのけ配線機能のデモが届きました。
ソフトを立ち上げファイルを読み
画面を1クリックするとスタートしました。
それ以降はマウスクリックすることがなく
マウス動作も自動でデモは進みました。
YOUTUBEのような動画ではなく
ソフト自身が動くのでリアリティがあります。
初めて走らせる人は新しく感じるかもしれません。

が、自分はそのデモの方式は知っていました。
というのは、はるか昔1996年7月号のCQ出版社の
デザインウェーブの付録に
DREAMCADのデモが収録されていました。
CADは機能よりスピードがすべて 開発者が語るPCB CADで重要なこと
https://www.cqpub.co.jp/dwm/i/contents/dwm0004i.htm
作者の記事一部
https://www.cqpub.co.jp/dwm/contents/0004/dwm000401401.pdf

当時ペンティアムが出たばかりの頃Win95のマシンでそのデモを走らせました。
当時もマウスカーソルが自動で動くようにプログラムされており
ボタンのONOFF操作までがアニメーションで表示されてました。
当時のHDDはなんと512M(メガ)です。
その容量から動画というのも一般的な時代ではありません。
そんな時代でソフト上でデモが
動いたのでとても驚きました。
20分ほどのデモでした。
これがDREAMCADを知った始まりでした。
なのでこのデモ形式を見ると
新しいような懐かしいような不思議な感覚です。

話は本題の押しのけ配線に戻ります。
押しのけのデモをキャプチャした図です。


良く見ると押しのけしている間に
ライン間の幅が変わっているのがわかります。
これは押しのけ配線中に間隔も可変しているところです。
前回はいったん押しのけを止めたところでギャップを可変していたのですが
今回はその動作途中で可変している画像です。

いくつもの想定するケースを
複数のコアに並列計算させていることが今回の開発の中心。
可変できる押しのけ配線を可能としている。
この機能のみの動作確認のため
通常の高速データベース上で動作していないため
動作は遅いものでした。
アナログは連続的だが
それをデジタルで実現するためには
段階を細かく刻む必要が出てくる。
多段階のパターンを描くということは
その段階分計算しておく必要があり
シリアルでは時間がかかるので
並列計算する必要があることがわかる。

単体の機能が確立したら
いよいよ高速データベース上で走る予定。
並列計算、高速データべースの
両方の技術があって成り立つ機能。
次回がたのしみだ。


当時のデモの話にもどります。
DREAMの優位性があった点は
デザインのしやすさでした。

当時の多くのCADシステムは
難点としては常に数値入力が多い点。
たとえば角を45度に曲げるだけでも
何ミリで曲げるか値を入力する。
手動で移動したとしても
設定したグリッド以外の箇所に配置することもできない。
値を入力、グリッドに合わせるという
機械の都合に合わせる作業がとても多かった

それがDREAMCADのデモを見たときに
そのイメージが払拭された。
マウスでパターン移動していくとその角が連続的に変化し、ちょうどよいポイントで決定する
デザインを変える際の数値入力がなかった事。
粘土で物を作っていくような柔軟さを感じたのでした。

今回の押しのけ機能も
カタログスペックでは現れないけれど
同様のコンセプトだ。


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