362.整理する技術

CPUが非力な時代
たとえばペンティアム300MHz時代
いわばWindows98ぐらいが出だした時期
当時速さは最重要課題の一つでした。
速度にこだわる理由は
PCBCADは重くなりがちな
要因を持ってるからです。

基板は配線なので
線の本数は多くなりがちです。
PIN数が多い部品は
1個の部品だけでも500PIN以上あります。
そのPINから出る配線はその数倍の
本数必要になります。
そうした製図用途にプラスして
1本の線に対して接続情報が紐ついているためです。
本数分接続情報を乗せます。
また線と線の間隔のルールもありますから
各線との距離をリアルタイム計算するため
CPUの負担が大きくなります。
ペンティアム300MHzの動作速度は
Windowsがやっと動くぐらいの感じでしたので
この処理量の多いPCBCADが重いのは無理ありません。

その当時でもDREAMは配線時は比較的高速でした。
特殊なデータベースがあるからです。
そのデータベースについては
過去に何度か説明したので大まかに言えば
電話帳です。
全国には膨大な件数の店があります。
これが無秩序に並んでいれば
目的の電話番号を見つけるためには
運が悪ければ何日かかるかわかりません。
でも電話帳1冊あれば
辞書をくるように短時間で探し出せます。

DREAMはその電話帳のように
データが整理されているので
目的のデータにたどりつくまでに
CPU能力をさほど必要としません。

技術的に優位性をもっている点は
その電話帳のような
データベースの構築を動的に
実現したという点です。
CAD設計では頻繁に配線を変えたり
部品の移動をしたりと
頻繁にデータの変更が起こります。
その状況で毎時整理された逐次電話帳を
更新し続けていくことができる
という点です。

CPUの処理量を単位でしめすと 
FLOPSというのは1秒間浮動少数演算できる回数
Pentium 300MHz 300 M(メガ)FLOPS
Pentium 4 3.8GHz 7.6 G(ギガ)FLOPS  
S-3800/480(1992年スーパーコンピュータ)32G(ギガ)FLOPS
Core 2 Duo3.33GHz 260.64(ギガ) GFLOPS
京   11P(ペタ)FLOPS  
とCore2Duoと京を比べればなんと約50万倍

わかることは現在の
CPUは20年ほど前のスーパーコンピュータ並で
京は いまどきのCPUで50万倍。
今のパソコンでも相当速いのでしょうけれど
京は想像を超える速さということですね。

毎回全件のデータを検索する
アルゴリズムでも
100,200件ぐらいならば速度は
変わらないかもしれません
でも数万、数十万だと
時間が比例してかかってきます。
スーパーコンピュータ京をもってすれば
きっと勝つことはできるでしょう。

もしスーパーコンピュータに
DREAMのデータベースアルゴリズムを
走らせたとしたら。。

どんな速度を導き出せるんだろうか。



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